CodeIQさんとのコラボで「『リーン開発の現場』翻訳者陣 市谷聡啓/藤原大さんからのリーン開発の問題」を作りました。想定時間5分のライトな問題ですが、本書のプレゼントもあるのでぜひぜひ挑戦ください。問題のチラ見もできますが、ここではボツになった問題を紹介です。難易度は本問題と同じぐらいから高めです。
問題1:カンバンに影響をあたえたもの
「カンバン」は開発者であるディビット・アンダーソン氏の知識や経験を元に考えられました。では、カンバンに影響を与えたものを以下からすべて選んでください。(選択問題)
- A. 待ち行列理論
- B. 制約理論
- C. システム思考
- D. リーンシンキング
問題2:準備OKの定義
『リーン開発の現場』に描かれているプロジェクトでは要件分析担当、開発者、テスターが同じチームで働いています。
それぞれが協力して働くために「開発準備OKの定義」や「システムテスト準備OKの定義」を決めているのですが、こういった定義のメリットを簡潔にお答えください。(自由回答)
問題3:なぜなぜ5回
『リーン開発の現場』では「システム思考」というアプローチについても語られています。20章 因果関係図では「なぜなぜ5回」とよばれる手法によって、根本原因を特定する例が挙げられています。さて、この「なぜなぜ5回」は「なぜ?」を5回繰り返すことによって、問題を深堀りする手法なのですが、なぜ5回も繰り返す必用があるのでしょうか?簡潔に答えてください。(自由回答)
問題1の回答
問題はいかがでしたでしょうか?
問題1は『リーン開発の現場』に登場するカンバンをより詳しく紹介した問題です。本書ではわけあってそこまで詳しく書いていないのですが、「これって待ち行列の話?」というように、さまざまな状況でさまざまなアプローチが紹介されています。
カンバンは待ち行列理論、制約理論、システム思考、リーンシンキングなどに影響を受けています。よって正解はA、B、C、Dです。以前書いた「かんばん」というソフトウェア開発方法論が誕生するまでの物語でもちょっと紹介しているのであわせてどうぞ。
問題2の回答
問題2は「第7章 準備OK を定義する」からの問題です。自由回答なのでいろんな答えがあると思いますが、おもいつくところをいくつか紹介です。
カンバンのプラクティスには「ポリシーを明確にする」というものがあります。これはカンバンをさまざまな状態を表す領域(本書絵はステージと呼んでいます)にわけたときに、「それぞれの状態や作業の意味を明確にしましょう」というものです。詳しい方は「完了の定義」や「準備OKの定義」と呼んでいると思います。こういった定義をするメリットをいくつかあげてみると
作業の内容が同じになるので質がそろっていく
作業のセルフチェックとして機能するので手戻りを防ぐ
などがあるとおもいます。カンバンで細かくステージを区切る場合は、それぞれの意味を全員が理解しておくのが重要です(カンバンに定義を張り出したりするのはとてもよいアイデア)。そしてその定義を改善していけば、作業の質の向上も期待できそうですね。
問題3の回答
問題3は「20章 因果関係図」に登場する「なぜなぜ5回」からの出題です。
「なぜなぜ5回」は問題の根本原因をさぐるために「なぜこの問題が起きたのか?」を何回も繰り返す方法です。トラブルなどが発生したあとのふりかえり等で似たことをやっている方もいらっしゃるかと思います。
5回も「なぜ」を繰り返す理由は、根本原因だと思っている(思いこんでいる)原因が実は違っていて、まだ他に原因があるかもしれないのに対策を考え実行してしまうのを防ぐためだと言えます。根本を取り除かないとまた問題が別の形で再発してしまう可能性があるため、できるだけ深くさぐっていくのがこの手法のいいところでしょう。
挑戦者求む!
今回はいくつか問題形式でリーンやカンバンを紹介させていただきました。
『リーン開発の現場』翻訳者陣 市谷聡啓/藤原大さんからのリーン開発の問題は12/16 10:00締切ですので、ぜひぜひ挑戦ください。みなさまの挑戦お待ちしています!
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